【木原 真澄さんの投稿】

それは草木も眠る丑三つ時のことでした。
仕事仲間との飲み会が終わり、帰路についていたわたしはお酒が入っていたためか、暗い夜道をとくになにも感じず歩いていました。
と、そこでわたしはふと自分の体の異状に気が付きました。
お腹が痛い・・・

食べ過ぎたか飲み過ぎたか、はたまたその両方か・・・
ちょうどその時、目の前に公園が見えてきました。

もともとこの辺りは子供が少なく、あまり使われていない上に明かりも少ない。
今思えばこれ以上ないくらい不気味な公園でした。

ですがやはりその時のわたしはかなりのお酒が入っていたのでしょう。
そんなことなど気にも止めずにその公園のトイレへ駆け込みました。

暗くてなにも見えない状態の中、壁へと手を伸ばしスイッチを探します。

「パチン」

蛍光灯が2、3度点滅しトイレ全体が映しだされます。

個室のドアの前まで行きドアノブへ手をかけます。

「ガチャガチャ」

閉まっている・・・
こんな時間だというのに運悪く先客がいました。

諦めきれないわたしは確認のためドアをノックしてみます。

「コンコン」

「コンコンコン」

ノックが返ってきます。
どうやら本当に使用中だったみたいです。

しかたない、出てくるのを待つかな・・・
わたしは夜風にあたるため、外へ出ようと振り返りました。

その時、やっと酔いが冷めてきたのでしょうか。
ふとあることに気がついてしまい、恐怖で身体がこわばります。

あれ・・・だってわたし今さっき・・・

次の瞬間、後ろから「ジャアアアッ」っと水の流れる音がしました。

わたしは音が聞こえたと同時に走りだし、急いでその公園から出て行きました。

その後の帰りのことは恐怖からか記憶にありません。

今でもその公園の前を通るとその夜のことを思い出してしまいます。

あのとき あのトイレの中にいた人は あの暗い公園の暗いトイレで 電気もつけずに なにをしていたのでしょう。

不気味でしかたありません。