【相坂さんの投稿】

これは私が中学生だった秋頃の話です。
その日は部活で疲れてしまい、帰って夕飯を食べたらすぐ寝てしまいました。
そして目が覚め、時計を確認すると丁度深夜0時頃。
私は微妙な時間に起きてしまったなと思うのと同時に面倒臭さを感じました。

「ゴミ捨て忘れてた…」

当時家のゴミ捨ての当番は私だったので、いつもゴミの日の前日の夜にゴミを捨てに行っていました。
朝に行ってもいいのですが、ゴミを7時までに出さなきゃいけないので、朝が弱い私には苦痛です。
仕方なしに起き上がりリビングに向かい、黒いゴミ袋がある事を確認します。
家族の誰かが気を利かせて変わりに捨てに行ってくれてるかと期待もしましたがそんな事もなく、私は黒いゴミ袋を持ち出かけます。

外に出ると辺りは真っ暗。
自宅の近くとはいえ、深夜の時間は周りの家の電気もほとんど消えていてなんだか不気味に感じました。
少し肌寒く、なんだか怖いなと思った私は早歩きでゴミ捨て場に向かいます。
ゴミ捨て場には既に多くの黒いゴミ袋が積まれていました。
私もいつも通りそこにゴミ袋を置き、帰ろうとしました。
しかし、ゴミ袋がガサゴソ動いて見えたのです。
猫か何かが下にいるのかな?とも思いましたが、ゴミ袋自体が動いているように見えます。
(誰かがゴミ袋の中に何か生き物でも入れたのか…?)と不気味な想像をしながら目を凝らして近づいてみて見ると・・・

いきなりゴミ袋が立ちあがりました。

私は「ギャアアアアアアアア!!」っと大声を出しました。
もうそれはゴミ袋ではなく黒い得体の知らないモノにしか見えませんでした。
そしてゴミ袋は「わっびっくりした~!」と言ってきました。
「え?喋った?」っと思いよく見て見ると、それはゴミ袋ではなく、黒いコートを着たおばさんでした。
黒いゴミ袋と同化してゴミ袋に見えていただけだったのです。
私は思考が追いつかずぽかーんというと、おばさんはそそくさとどこかへ行ってしまいました。
何故あの時間にわざわざ黒いごみ袋と同じ黒いコートを着て、ゴミをあさっていたのかわかりませんが、私にとっては忘れられない夜になりました。
皆さんも深夜にゴミ袋と同じ色の服を着てゴミをあさるのはやめましょう。