- ●どのような立場で本作に関わっているのか、まずは自己紹介をお願い致します。
- こんにちは、私の名前はショーン・ヒッチコックです。私はこのプロジェクトを一人で手掛けました。ストーリー、レイアウト、キャラクター、ゲームプレイのシステムを作りました。「Emily Wants to Play」という怖くて挑戦的な体験ができるゲームを仕上げました。
- ●インディーゲームを作り始めることになった経緯を教えていただけますか?
- 私はいつもコンピューターと仕事をしていました。サーバーの構築からプログラミングとデータベースの管理まですべて行っていました。私が覚えている限りでは私はいつもゲームが大好きでした。子供ながらにいつかゲームを作ることが夢でした。約6年前に自分のゲームを作りたいと思い、この業界に参入しました。フルタイムで働いている中、平日の夜や週末などを使ってモバイル用のソフトやゲームを作っていました。予想以上に上手くいったので、途中からフルタイムでゲームを作ることになり、それからはずっと独立したクリエイターとして自分のために開発をしています。「Mad Monkey」「iTextfast」「Evil Quiz」「A Very Simple Game」「Raining Balloons」が昔作ったゲームの代表作です。
- ●インディーゲームの魅力はずばり何ですか?
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開発者として思う魅力は、自分が作りたいものを自由に作れることです。もし何か良いアイデアがあれば、それを自分のゲームに加えることができます。あなたがクリエイティブになることに対して誰も止められない。
ゲーマーとしての魅力は、とてもユニークな体験ができることです。インディーゲームはそれぞれ違った個性があり、またメインストリームからも外れています。ゲーマーなら新しくて興味深い体験ができるでしょう。
- ●本作を企画したきっかけは何ですか?
- 私は怖いゲームが好きだし、人が怖いゲームをプレーするところを見るのが好きなんです。私は人が怖がらせるであろうゲームのアイデアをいくつか考えていました。暴力や流血などがない、幽霊のような怪奇現象が人を怖がらせるアイデアです。人生のバネにするかのようにアイデアを書き出し、ストーリーを始まりから終わりまで書き始めました。試行錯誤しながら怖いシーンを考えていたら、なかなか良い出来だったので、次にフルタイムでアイデアを仕上げることに専念しました。そして、すべてがまとまって、最終的に「Emily Wants to Play」が完成されたのです。
- ●本作のテーマやコンセプトにつきまして、ご説明お願い致します。
- 「Emily Wants to Play」は不幸なピザ屋が幽霊の少女と3体の人形がいる家に閉じ込められるお話です。人形達は新しい「友達」と遊ぶためにピザを注文します。ピザ屋が生き残るためにあてもなく家を彷徨っていると、エミリーと彼女の奇妙な両親、そして人形達の不可思議な物語を知ることになります。人形達やエミリーは子供の遊びを彼女達のやり方で遊びます。プレイヤーは家の中のギミックを使いながら夜を越さなくてはなりません。
- ●インディーゲームはユニークなものが多いと思います。制作にあたって、一番力をいれた点、又はこだわった点などございましたら教えてください。また、日本ユーザーさんに「これは注目してほしい」というシーンがございましたらご紹介お願い致します。
- 人形とエミリーは家の中を自由に動き回り、物体に干渉することもできます。多くのホラーゲームは一直線で、ある場所から別の場所へアイテムを探したり、パズルを解いたり、毎回同じ場所でモンスターが飛び出したりします。モンスターはたいてい特定のエリアから出ることができません。「Emily Wants to Play」では、人形やエミリーは家の中を自由に動き回ったり、電気やドアの操作をしたり、タイミングを見て襲ってきたりと独自の知能を持っています。
音が聞こえたり、近くで何か起きたときは人形やエミリーがまわりにいるときです。人形はプレイヤーを怖がらせようとパターンをわずかに変えることもあります。
- ●本作を開発するにあたって、苦労された点などありましたか?むしろ楽しかったことがありましたら一言お願い致します。
- 私は超自然現象、暗闇や人形にさえ恐怖をもっています。開発中に怖いと思うこともありました。ストーリーを書き、環境を作っているときは不気味で寒気を感じることもありました。「Emily Wants to Play」の気味の悪い人形と長時間、密接に仕事しなくてはなりませんでした。彼らのプログラミングをテストするときは怖かったです。人形が予期しないところで襲ってきたりするのでとてもびっくりさせられました。
- ●心に残る開発エピソードなどございましたら教えてください。
- あるときエミリーの地面を這うモーションのプログラミングをしていました。何度もテストをしていて、彼女はいつも特定の方向に這っていきました。それに慣れていたので特に怖くはありません。でも、プログラムの変更を行った後しばらくしたときです。変更のことはすっかり忘れていて、さらに何かバグがあったのかエミリーが私の後ろを這ってきたのです!なぜそれが起きたのかわからず、本当に衝撃でした!汗が出てきて心臓も高鳴ってしまい、その後しばらく休憩が必要になりました。
- ●今後どんなことにチャレンジしていきたいですか?
- 間違いなく、怖くて不気味なゲームの製作を続けます。できるだけ面白くて、怖いゲームを作ろうと取り組んでいます。エミリーについてはもっと共有したいことがあるので、将来的に続編や他のメディアを通して、彼女の全てのストーリーを伝えたいと思います。
- ●これから本作をプレイする日本ユーザーさんへ一言お願い致します。
- 「Emily Wants to Play」に興味を持っていただきありがとうございます。エミリーや人形たちと楽しく遊んでいただければ光栄です。あ、もしあなたの家になにか怪しい人形が寝ていたりしたら、目を離さないようにしてください!