プリニー ~オレが主人公でイイんスか?~
プリニー ~オレが主人公でイイんスか?~

今回の特集は2008年発売の「プリニー ~オレが主人公でイイんスか?~」です。
「史上最凶のやみつきアクション」と称されたこのタイトルについて、
ディレクターの泉達也(現在、日本一ソフトウェアの子会社の株式会社ノラ)に話を聞きました。

「どういう形でタイトルに関わったのか、その経緯など」

開発には、ディレクターとしてゲームシステムからグラフィック、
シナリオに至るまで、全般的な監修を行うポジションで関わりました。
あと、当時の日本一ソフトウェアにはいわゆる企画職種がなかったので、
開発全般における雑務も山ほどこなした気がします(笑)

関わった経緯としましては、
ちょうど魔界戦記ディスガイアPORTABLEを制作しているときに、
「内製※のアクションゲームを作りたい」という話が開発部長から
ディレクター陣にありまして、そこで手を上げたのが始まりです。

最初は魔界を舞台にした「横スクロール・インフレ・アクションRPG」の
企画を書いたのですが、「プリニー隊を主人公に」、「RPG要素はNG」
ということで3秒でボツになりました(笑)
その後、プリニーを主人公とした正統派のアクションゲームの企画を
提出し無事承認を頂いたのですが、当時はまだ「カッコイイプリニー」
というノリで進めていました。赤いマフラーや佐藤天平さんによる
非常にカッコイイ楽曲はまさにその名残です。
最終的には、ヘタレなプリニーになりましたが、結果良かったと思っています。

※内製・・・ここでは、社内の開発部署で開発するタイトルを指す。

「当時、楽しかったこと、苦労したこと」

魔界戦記ディスガイア、ファントム・ブレイブの製作に関わったスタッフから、
今回が初めてのゲーム開発・・・というスタッフまで、中堅・新人混合の
少人数チームで作った非常に思い出深いタイトルです。

開発は苦労の連続でしたが、特に経験不足からくる部分が大きかった
ように思います。
それまでにディレクションしたタイトルはシミュレーションや
アドベンチャーゲームが多く、またチーム内のスタッフはもとより、
他のチームにもアクションゲームの制作経験者がいなかったので、
開発当初はすべての作業が手探りでした。

そんな中、唯一開発の経験者が当時の社長※でしたので、
開発が軌道に乗るまでは色々と相談させて頂きつつ進めていきました。
ただ、そこでいくつかのお題(ジャンプの軌道の固定、プリニー連射等)
を頂くのですが、そのあたりをゲームに落とし込むという部分で非常に
苦戦し、なかなかα版※のOKが頂けなく、ひどく迷走していた時期も
ありました。

最終的にはなんとか形にすることができましたので、
今となっては良い思い出ですけどね。

※社長・・・現日本一ソフトウェア会長
※α版・・・ゲームの基本的な面白さを確認するための開発途中バージョンのこと。

「今思い返して、思い出に残っていること」(今だから振り返れることなど)

開発中のことは、ああすればよかった、こうしていれば・・・と、
後悔しかないのであまり振り返りたくないのですが(笑)

開発を進める中でいくつかのお題目があり、
それを調理するのが自分の役目でしたが、
上手く調理しきれなかったところや詰めが甘いところも多く、
そのあたりは思い出すと非常に悔しいですね。

あと、思い出といえば、日本一ソフトウェアの伝統として
「お客さんに楽しんでもらえる、おバカなサービスを全力でやる」
というのがあると思っているのですが、そこから隠し要素としての
アサギ編※が生まれたことでしょうか。

本編の制作をおざなりにするわけにはいかないので、
できるだけ低コストで何かできないかと思案した結果として
制作したものではありますが、
ユーザーの方から「プリニーを遊んだらアサギが好きになった」という
ご意見を頂くことも多いので非常に嬉しいですね。
このあたりはアサギの声優である水橋かおりさんの演技にも大変
助けられたと思っています。

アサギ編は、直前に魔界戦記ディスガイアPORTABLEの
エトナ編※を作ったばかりだったので、
同じようにクリア後に遊べる、もしくはコマンド※を入れることで
最初から遊べる、という仕組みを踏襲しています。
未プレイの方は是非タイトル画面でコマンドを入力して遊んでみてください。

※アサギ・・・日本一ソフトウェアの暑中見舞いに登場以降、 主人公の座を狙って
さまざまなゲームを徘徊する、 永遠の「次回作の主人公」。 現れるたびに性格や声が違う。
※エトナ編・・・PSP専用タイトル魔界戦記ディスガイアPORTABLEの隠しシナリオ。
※コマンド・・・タイトル画面で「はじめから」にカーソルを合わせて、△□×△□×○と入力する。

「このタイトルの醍醐味、オススメポイント」

残機が1000匹のアクションゲームということもあり、
何度も死んでしまうゲームではありますが、
挑戦すればするほどちょっとずつ進めるようになるのではないかと思います。

というのも、このゲームは、ゲーム内で一切ランダム(乱数)要素をつかって
おらず、敵はプレイヤーとの位置関係を確認しながらまったく同じアルゴリズム
で動きます。
ですので、いわゆる初見殺し※といわれるトラップ的な配置も多いですが、
パターンを構築していけば、少しずつでも先へ進めるのではないかと思います。
また、敵のアルゴリズムにも弱点があり、その弱点さえみつければ
一体一体は簡単に処理できるようになりますので、すぐに倒してしまわずに
敵がどのように動くのか観察するのも面白いと思います。
そして、それらの敵が、異なる地形で複合して出たときのパズルのような
解法探しも、このゲームの醍醐味だと思いますので是非挑戦して頂けると
嬉しいですね。

連射のしすぎで筋肉痛になった・・・と、大変申し訳ないアンケートハガキを
頂いたりもするのですが(申し訳ありません・・・。)、2,3のボスキャラ以外は
パターンを見切ればそこまで連射しなくても倒せるようにできています。
むしろステージ中はヒップアタックだけで切り抜けられるように作った場所も多いので
試して頂けますと、また違う遊び方が見えるのではないでしょうか。
とは言いましても、このゲームは「プリニー連射」※というタイトルにもなりかけた程ですので、
連射数にロック※はいっさいかけておりません。
プレイヤーの連射力=プリニーの攻撃力となっておりますので、
力の限り連射して頂くのも正しい遊び方だと思います。

あとは、進行する順序によって、ステージの形状や難易度が大きく変わりますので、
どうしても進めないステージがあったら、進行ルートを変えると
意外にあっさり進めたりするかもしれません。
是非エンディング目指して挑戦してみてください。

最後になりますが、このゲームは魔界戦記ディスガイアのノーマルエンディング後の、
少しパラレルな世界になります。
アクションゲームが好きな方だけではなく、ディスガイアのキャラクターが
好き、という方も是非手にとって遊んで頂けると幸いです。

※初見殺し・・・あらかじめ知っていない状態、すなわち初見での対応が非常に困難なもののこと。
※プリニー連射・・・正式に「プリニー~オレが主人公でイイんッスか?~」というタイトルに決まる前のタイトル候補。
※連射数にロック・・・一般的には、いくら連射しても一画面に何個までしかでないという制限をつけることが多い。

日本一ソフトウェア初の本格アクションゲームである「プリニー」
その制作に関する、様々な話がでてきましたが、
皆様楽しんでいただけたでしょうか。

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全国のゲーム専門店などで購入することが可能です。
またPlayStation®StoreにてDL版も配信中。
今までにプレイしたことのない方もこれを機にプレイしてみてはいかがでしょうか?

それではまた次回の更新も楽しみにお待ちくださいませ。

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