流行り神 警視庁怪異事件ファイル
流行り神 警視庁怪異事件ファイル

今回の特集は2005年発売の「流行り神 警視庁怪異事件ファイル」です。
日本一ソフトウェア初のアドベンチャーゲームであり、
その後3部作として展開していったこのタイトルについて、
プロデューサーの新川宗平、サウンドを担当した酒井良氏、
キャラクターデザイナーの菅原健氏、
背景デザインを担当した小島俊彦にそれぞれ話を聞きました。


プロデューサー:新川宗平のインタビューはこちら
サウンド担当:酒井良氏のインタビューはこちら
キャラクターデザイナー:菅原健氏のインタビューはこちら
背景デザイン担当:小島俊彦のインタビューはこちら
プログラム担当:簗瀬涼司のインタビューはこちら NEW! (2011.8.26)
ディレクター:泉達也のインタビューはこちら NEW! (2011.8.26)


【プロデューサー:新川宗平】

「どういう形でタイトルに関わったのか、その経緯など」

話のはじまりは、『魔界戦記ディスガイア』の開発を終え、
『ファントム・ブレイブ』の企画の立ち上げをしていた頃だったと思います。

それまでは毎年1本、1ラインしか走っていない開発体制だったので、
なんとかして2本目のラインを立ち上げようとして、
企画したのが『流行り神』でした。

当時は開発スタッフ総勢20名程度の会社だったので、
2本目のラインといっても、少人数で作るしかなく、
『ファントム・ブレイブ』と兼任しているスタッフも合わせて、
なんとか掻き集めたのが4名でした。

4名の構成は、
 ・プロデューサー兼シナリオライターとして、わたし。
 ・ディレクター兼グラフィッカーとして、泉達也。
  (『プリニー』『プリニー2』のディレクター。
   現在は開発子会社ノラの代表取締役)
 ・プログラマーとして、簗瀬涼司。
  (『インフィニットループ』『流行り神3』のディレクター。
   現在は日本一ソフトウェアの開発部長)
 ・背景デザイナーとして、小島俊彦。
  (『絶対ヒーロー改造計画』『魔界戦記ディスガイア4』の
   グラフィックリーダー。
   現在は開発子会社カウンターストップで活躍中)

と、今思い返すと、結構豪華なメンバーでしたね。
この4名をコアメンバーとして企画をスタートさせました。

まず最初に問題となったのは、
たった4名で何を作れるか?ということでした。
人数の制約により選択肢がほとんどなかったのと、
集まったメンバーが偶然にもアドベンチャーゲーム好きばかりだったので、
ジャンルはあっさり決まりました。

次に題材です。
企画の立ち上げの直前のプロジェクトだった
『魔界戦記ディスガイア』が大変好評だったこともあり、
ディスガイアを題材にしたスピンオフもののアドベンチャーゲームという
選択肢もあったのですが、それは選択しませんでした。
企業としてはディスガイアを題材にしたほうが安全なのかもしれませんが、
多少リスクがあっても新しい題材にチャレンジしたいという強い気持ちがありました。
ディスガイア以外のもの、SRPG以外のジャンルでも、日本一ソフトウェアは面白いものが作れるんだぞ!
ということを証明したかったんです。

なので、あえてディスガイアとはまったく違う題材を選びました。
舞台はファンタジー世界ではなく、現代の日本。
コミカルではなく、シリアス。(一部コミカルもありますが)
そして、ホラーというジャンル。

結果として、ディスガイアとはまったく方向性の違うゲームが出来上がり、
雑誌のレビューや購入していただいた方たちからも高い評価をいただくくことができました。

……でも、ディスガイアとあまりにかけ離れていたため、
最初は日本一ソフトウェアのタイトルだとは思っていなかった方や、
外部の開発会社で制作したと思われることが多かったようです。
(ここで改めて明言しておきます。 『流行り神』は、社内で開発したタイトルです!!)

「今思い返して、思い出に残っていること」

他のプロジェクトと兼任しながら寝る間も惜しんで働いてもらったので、
プロデューサーとしては、関わったスタッフに苦労をかけて申し訳ないという
気持ちが強かったのですが、打ち上げのときだったか、
一緒に企画を立ち上げたスタッフ全員が「続編を作りたい」と言ってくれたこと。
この言葉が一番記憶に残っています。

本当にうれしかったですね。
苦労はしたけど、みんなやりがいを持って、楽しんで作ってくれたんだと思うと、
ちょっと涙が出そうになりました。

「一番のオススメポイント」

『流行り神』のオススメポイントは、4つあります。

1つめのオススメポイントは、都市伝説という題材です。
身近な日常に潜んでいる恐怖を描きたかったので、
都市伝説の「本当なのか嘘なのかあいまいな部分」は
もっとも適した題材でした。

『流行り神』発売後に、芸人さんが火付け役となり
都市伝説ブームが訪れたわけですが、
その恩恵はまったくありませんでしたね(笑)
俺たちのほうが先に仕掛けたのにぃぃぃい!!
誰も気づいてくれないぃぃぃい!!
……と悔しい思いをしました。
時代を先取りしすぎたようです。

2つめのオススメポイントは、ストーリーのギミックです。
従来のテキストアドベンチャーゲームと同じく、
『流行り神』にもたくさんのストーリー分岐があります。
中でも特徴的なのが、各話のストーリーが、
科学ルートによる解決とオカルトルートによる解決に
大きく二分されることです。

科学ルートとオカルトルートは、それぞれ独立したものではなく、実はセットになっています。
科学ルートを読んだだけでは真相はわかりません。
オカルトルートだけでも謎は解けません。
両方を読んだ上で、さらにプレイヤーが想像を広げることによって物語の真相にたどり着けるような仕掛けになっています。

3つめのオススメポイントは、
『推理ロジック』『カリッジポイント』『セルフクエスチョン』『データベース』などのゲームシステムです。

特に『データベース』はうんちく満載なので、それだけで、かなり楽しんでいただけるはずです。

4つめのオススメポイントは、
一筋縄ではいかないクセのある登場人物たちです。
菅原健さんが描くイラストも含め、登場人物たちの魅力が、すなわち『流行り神』の魅力でもあると思っています。

夏といえば、ホラー!
ホラーゲームと言えば、『流行り神』! この夏を『流行り神』で涼みながらお過ごしになるのはいかがでしょうか?

ただし、悪夢で眠れなくなっても保障いたしかねますが……。



【サウンド担当:酒井良氏】

「どういう形でタイトルに関わったのか、その経緯など」

当時所属していた会社がドラマCDの制作などで
日本一ソフトウェアさんとお付き合いがあり、
その流れで音楽制作のお話を頂いたのだと思います。
私が担当となった経緯は不明ですが、
SFやホラー系の話題に詳しいと周囲に認知されていた様なので、
そこら辺でこの様なジャンルの題材に適正があると思われたのでは
ないでしょうか。

「開発当時、楽しかったこと、苦労したこと」

手掛けてみたかったジャンルの音楽なので、
溜め込んでいたアイデアを色々と試す事が出来ました。
「恐怖」や「不安」という本能的で漠然とした感情にどう訴えかけるのか
という部分で試行錯誤があり、
上手く行かなかったアイデアもあったのですが、
その行程も含めて楽しかったですね。

あと当初「phantom」だけは他の作曲家さんが担当するという
プランがありました。
結局は私が担当する事になったのですが、
決定したのが作業期間中盤の頃、しかも他の曲よりも締切が早かった為、
スケジュールを遣り繰りしながら不眠不休で作業を進めた記憶があります。

「今思い返して、思い出に残っていること」

サントラCDのブックレットにも書いたのですが、
初期に頂いたメールに添付されて来た資料画像が印象に残っています。
ゲーム中の結構残酷なイベント画が数種、
しかも深夜に届いたのでこれはインパクトがありました。
それまでシナリオやBGMの発注表などでイメージやストーリーは
伝えられていましたが、
ビジュアルを目にした事でかなり方向性が定まりました。

それから思い出というより遣り残した事なのですが、
音楽制作スタッフで「お祓い」に行こうという話があったのですが、
皆忙しかったので何時の間にやら話が立ち消えてしまいました。
これは未だに悔いが残ります(笑)

「一番のオススメポイント」

幾つかの曲では、
アンビエントなバックグラウンド音やベース音などに声や息、
環境音などを素材とした音を微妙に混ぜたりしています。
パッと聞きソレとは分からない程の加工が施してありますが。
他にも各所にこういった小技を散りばめていますので、
是非BGMにも意識を向けてプレイして貰えると嬉しいですね。



【キャラクターデザイナー:菅原健氏】

「どういう形でタイトルに関わったのか、その経緯など」

共通の知り合いだった編集さんの仲立ちで、制作に参加することになりました。
編集部の一部屋をお借りして、すでに出来ていたオープニングムービーを
観せていただいたのを覚えています。

「開発当時、楽しかったこと、苦労したこと」

キャラクターが多いゲームだったので、
描き分けには苦労しつつも楽しんで取り組めました。

「今思い返して、思い出に残っていること」

ゲーム中に出てきた呪いの壁画を、新築祝いを兼ねて
プロデューサーの新川さんの家の壁に描くという計画があったのですが、
いまだ果たせずにいるのが心残りです。

「一番のオススメポイント」

データベースの充実ぶりは、取り上げられることが少ない分、意外なお得感があるのではないでしょうか。
都市伝説のあらすじなどが集められているので、季節的に活躍するかも知れませんね。



【背景デザイン担当:小島俊彦】

「どういう形でタイトルに関わったのか、その経緯など」

主に背景デザインで参加しました。
もともと背景写真が好きで、
このタイトルに参加する前からも多くの資料写真を集めていました。
これまでの日本一タイトルはファンタジー色の強いものでしたから、
シナリオがリアル世界が舞台と聞いた時は自分の出番だと思いました。

「開発当時、楽しかったこと、苦労したこと」

資料集めが苦労した事でもあり、楽しかった事でもありました。
今のご時勢、カメラを持ってうろうろしていると…。
実際に足を運んで撮影に行きましたが、何度か職務質問にあいました。
学校内の資料って卒業してしまうとなかなか手に入りませんね。

「今思い返して、思い出に残っていること」

オープニングムービー作成斑と実際の心霊スポットに行った事ですね。
資料写真を撮影する為に一人で夜中の心霊スポットをうろうろしていましたが…、
客観的に見ると不審者でした。

「一番のオススメポイント」

ゆうか編の舞台は密室空間と言う事も有り、背景の位置関係に矛盾が無いように気をつけました。
テキストアドベンチャーなのにマップを描いたりして。
どんな空間の学校なのか想像して頂けると嬉しいです。

最近は自分の参加しているタイトルがファンタジー物ばかりなので、またリアル世界物がやりたいですね。



【プログラム担当:簗瀬涼司】

「どういう形でタイトルに関わったのか、その経緯など」

『流行り神』にはメインプログラマーとして参加しました。
新規タイトルの立ち上げに関する話が、社内掲示板にアップされまして、
私は読んですぐにプロデューサーの新川のところに駆けつけましたね。
「私を入れてください!」と。
細かいことは分からないけど、何やらチャンスだ、何やら面白そうだ、と
飛びついてました。
それと少人数プロジェクトですので、メインプログラマーの座は
早い者勝ちだと勝手に思ってました。若かったんですかね。

「開発当時、楽しかったこと、苦労したこと」

とにかく新規オリジナルタイトルを生み出すことに参加できたことは
本当に楽しかったです。
システムの仕様立案ミーティングや、アドベンチャーゲームについて
プロジェクトメンバーで熱く語ったりと、大変盛り上がってましたね。

思い出はとても美化されているのですが、思い返してみると
苦労は山ほどありました。私の経験不足でプログラムの進捗は遅いし、
根本的な仕様ミスで、大きなやり直しをしなければならなかったりと
恥ずかしくなる出来事もいっぱいでした。

それを乗り越えて完成させたときは嬉しかった……ような気がするんですが、
思い出せないですね。燃え尽きてたのかもしれません。

「今思い返して、思い出に残っていること」

会社で仮眠を取っていたら、化け猫に襲われたり、何者かに手足をつかまれたり
怖かったですね。あれは何だったのでしょうか?

あの場所で寝ると、必ず何かあったんですよね。眠たいのに困りますよね。

現在の社屋では何も起きないので、あの建物に何かあったんだと思います。

「一番のオススメポイント」

ストーリーやグラフィック、サウンド、システムなどゲームとして
楽しんでもらえる要素は他の方がオススメしていただけると
思いますので、プログラマーとして関わった私からは
操作感をお伝えしたいと思います。

アドベンチャーゲームなのに操作感?と思われるかもしれませんが
『流行り神』ではコントローラーを片手で持って遊べること、
『流行り神 Revenge』ではスキップ機能の強化、『流行り神 PORTABLE』では
ShortCut BOXによるボタンカスタマイズなど、
テキストアドベンチャーを遊ぶユーザーのために、
物語へ没頭できるようコントローラーへの持ち方、ボタンの押し方など
色々と考えて、用意させていただきました。

と、オススメしながらも、それらは全て『流行り神』を楽しんでもらうための裏方ですね。
そういったところへ気を配ったりもしてますので、
『流行り神』の世界に、のめりこんでいただければ幸いです。



【ディレクター:泉達也】

「どういう形でタイトルに関わったのか、その経緯など」

開発には、ディレクターとして参加し
基本システムからグラフィック、デバッグに至るまで
全体の設計、監修を行いました。

主な役割は、プロデューサーが考えているイメージを
ゲームの形に落と込んでいく※(1)ことでしたが、
自分が参加したタイミングでは、
まだコンセプトが決まっているだけの状態でした。

開発に関わった経緯ですが、
魔界戦記ディスガイアにデザイナーとして参加後、
次回作であるファントムブレイブの制作に入ろうとしていた矢先に
当時、開発部長兼プロデューサーだった新川※(2)に
声を掛けられたのがきっかけでした。
『都市伝説を主軸にしつつ、科学とオカルトの二つの
アプローチで事件を解決していく刑事モノ』だと聞かされたときは
大変ワクワクした記憶があります。
今聞いてもすごく良いコンセプトだと思いますね。

ただ、それ以外はほとんど何も決まっていなかったので
そこから、決めていかなければらないことは多かったのですが、
都市伝説を主軸にしたゲームである……という部分が
開発当初より非常に明確であったため、
作業自体は進めやすかったように思います。

都市伝説については、
参加が決まってから、慌てて猛勉強したのは
言うまでもありません(笑)

あと、参加当時は『ダークサイドプロファイル(仮)』という
仮タイトルがついていました。
『流行り神~警視庁怪異事件ファイル~』という
和風風味のタイトルに決まったのはずいぶん後になります。

※(1)プロデューサーがイメージするゲームの全体像を、
  ゲームとして成り立つ形にまとめ、企画書にした後
  各担当者に通達しゲームとして作っていくこと。
※(2)現日本一ソフトウェアの社長で、プロデューサー兼シナリオライター。

「開発当時、楽しかったこと、苦労したこと」

ゲームのジャンルをアドベンチャーにすることは
直ぐに決まったのですが、「物語を読ませるタイプ」よりも、
「遊べるタイプ」のアドベンチャーを目指すということになりましたので、
ゲームシステムの構成を、コンセプトに合わせて組み立てるところが
一番時間が掛かった部分かもしれません。

完成してみれば、なんて事はないのですが、
『推理ロジック』『カリッジポイント』『セルフクエスチョン』といった
システムを使って、シナリオが「オカルト」「科学」の両ルートに分岐。
『データベース』を集めることで、サブシナリオが解禁される……といった
流行り神の代名詞とでもいうべき部分のシステムや
構成が固まるまでは試行錯誤の連続でした。

ただ、このあたりの構成は苦労したかいがあり、
流行り神2、3とシリーズをつみ重ねても
変わることなく継承された、システムの根幹部分になります。
また、遊べるアドベンチャーゲームという部分は、
その後、日本一ソフトウェアから発売されている
アドベンチャーゲームにも脈々と継承※(1)されていますので、
お店で見つけましたら、これも何かの縁だと思って
是非手にとっていただければと思います(笑)

ほかにも開発において苦労した点は多いのですが、
実はこのプロジェクト、一度開発途中で凍結※(2)されていたんです。
当初はなかなか開発が軌道に乗らず、一度、開発が中断されて
主要スタッフはみんなファントムブレイブの開発にはいりました。
再び流行り神の制作に入ったのは、ファントムブレイブの
開発が終了した後になります。
結局1年間ほど流行り神のプロジェクトを離れていたことになるのですが、
今考えると、よくそのままお蔵入りにならなかったな……と、冷や汗がでますね(汗)

ただ、凍結中も、都市伝説や、警察組織の勉強をしたり
定期的に情報交換のミーディングをするなど、
今思い出すと流行り神を製作する為の有意義な充電期間であり、
ゲームの品質の向上に当てられた良い時間だったのだと思います。
また、スタッフの開発熱が高かったというのもポイントかもしれません。
兎に角、俺たちに作らせろ!という思いは非常に強かったですね(笑)

あとは、ご協力頂いた社外の方々にも非常に恵まれておりました。
お一人お一人のご紹介は省かせていただきますが
皆様、現在も第一線で活躍されている方ばかりです。
その方々のご協力なしには、完成し得ないタイトルだったことも
付け加えさせていただきます。

※(1)流行り神シリーズ、インフィニットシリーズ、
  外部制作のタイトルで、一柳和シリーズ、セカンドノベル 等。
※(2)プロジェクトを中断したり、実質的に中止すること。

「今思い返して、思い出に残っていること」

開発のコアメンバーが4人という非常に小さなチームでしたが
みんな、ゲームを面白くするためならプライベートを忘れて
どんどんと仕事を呼び込んでしまう、とても暑苦しい……もとい、
熱いスタッフばかりでしたので、やっていて非常に張り合いがありました。
今日頑張れば、お客さんに喜んでもらえるアイデアが入れられる!と思ったら、
やらない理由がない……といった感じでガンガン仕事をしていたように思います。
これは、今でも変わりませんが(笑)

また、それまで日本一ソフトウェアは開発ラインが一つしかなく
何度か複数ライン化※(1)に、トライしようとしてきたのですが
やるとなったら一本に全力投球の社風(笑)ゆえ、
開発の複数ライン化が難しい状態が続いており
2つ目のラインを立ち上げ成功させるというのは会社的な目的もありました。
その部分が達成できたのも、非常に大きかったと思います。

ゲームに関する思い出は、
ああすればよかった、こうしていれば……と、
後悔しかないのはいつものことなのですが、
開発作業自体は非常に楽しかったのが印象的ですね。

それでも、物量的な部分は締め切りとの戦いでもあり
特にシナリオのボリュームに関しては非常に苦心しました。
当初は5話構成を考えていたのですが、
物量的に難しそうだということで、いったん3話にボリュームダウン
したのですが、逆に今度は少なすぎるということで、
第零話をつくったり、やっぱりED後にオマケがあったほうが、
遊んで頂いたときに喜んで貰えるはず!と、
サブシナリオを4話分つくったり、
結局5話作ったほうがボリューム的には少なかったという(苦笑)
もう、お客さんに喜んで頂きたい一身でしたが
みんな若かったんだと思います(笑)

実は、サブシナリオはもう一本作る予定でして、
『本来の設定を超えて、登場人物たちが、はちゃめちゃな戦いを繰り広げる』
といったものを企画していたのですが、これは残念ながら
締め切りに間に合わず泣く泣くカットしました……。
今となってはカットして良かったと思いますが……
……いや、やっぱり入れてみたかったですね(笑)

あと、今回このインタビューにあたり、あらためて企画書をみていたら
『ダークサイドダイブ』というシステムがありました。
何でもこれが発動すると、『ゲームが恐怖モードに突入する』という
ボツになったシステムなのですが……まったくもって謎ですね。
こちらは入れなくてよかったです(笑)

初代流行り神には、高速スキップや、いわゆるシナリオのフロー表示が
なかったりと、若干遊びにくい部分もあり、それは非常に悔しく
申し訳ない思い出ではあるのですが、
「流行り神リベンジ※(2)」以降では、そのあたりもキッチリと
リベンジ(修正)して遊びやすくなっていますので、
ご安心してお求め頂けると思います。

※(1)同時に2本以上のタイトルの開発を行うこと。
※(2)PS2版、PSP版がある。操作性の快適化、追加イラスト等もある豪華Best版。

「一番のオススメポイント」

オススメポイントは、
ズバリ「人に自慢できるくらい都市伝説に詳しくなれる!」
だと思います(笑)

開発当時は、ちょうど和製ホラーが大ブームの時期でして、
世間への営業的なアプローチは『ホラーゲーム』だったのですが、
実は、開発内部では『和製X(エックス)ファイル』といった趣向で、
サスペンス色強目のイメージで作っているタイトルでした。
今でこそ言える話ですね。(……これ言っちゃって良かったのでしょうか?(汗))

……ということですので、
ホラーが好きな方はもちろん、サスペンスが好きな方や、
心霊現象なんて、ウソっぱちだ!という方まで
未体験の方は(ゲームが未体験という意味です。心霊現象じゃありませんよ。)
是非一度遊んでみて、そしてアンケートハガキで
感想を送っていただけると嬉しいです。

既にシリーズ化されてますので、なかなか途中からは
手を出しにくいかもしれませんが
今ですと、Best版やPSP版、iPhone版等も発売されていますので
夏の定番としていかがでしょうか?
また、これからの時期、秋の夜長に
サスペンス風味の都市伝説ゲームというのもオススメです。

流行り神は、我々にとって非常に思い出深いタイトルであり
日本一ソフトウェア開発スタッフの若さと情熱がつまっているタイトルです。
機会がございましたら、是非手にとって遊んでみて頂ければ幸いです。

シミュレーションRPGが中心だった当時になぜアドベンチャーに挑んだのかという理由や、
音楽部分についてのこだわりなど、色々な話がありました。

さて、3回連続で流行り神のインタビューを行ってまいりましたが、
皆様、楽しんでいただけたでしょうか?

流行り神シリーズは、「PS2」「PSP」「iPhone」と様々な機種でお楽しみいただくことが可能です。
このインタビューで「流行り神」を知った方がいらっしゃいました、
この機会にぜひ一度プレイしてはいかがでしょうか?

詳しくは以下の流行り神公式WEBサイトをご覧くださいませ。

◆流行り神 公式WEBサイト
http://hayarigami.com/index.html

 ▼商品へのリンクはこちら!▼


ファンのページへ戻る