日本一ソフトウェアとはもともと親しい関係だったので、最初、今回のプロジェクトの話を持ち掛けられたときからとまどいとかはありませんでした。
それに私がユーザーとしてこよなく愛する珠玉のようなゲームをずっと開発してきたヒットメーカーの開発スタッフの方々を紹介された時、確固たる意思が沸いてきました。
実は、韓国での私のゲーム開発者としてのポジションは、どちらかといえば、直接絵を描くというよりは、グラフィックプロセス全般を管理する「ディレクター」に近いです。
それは韓国のゲーム市場が技術面で新しいソリューションとインフラを強く意識せざるを得えないPCオンラインゲームに極端に偏っているからでもあります。
まあ、こういう環境で働いているだけに今回の『ドラグナーズアリア』のプロジェクトは特別な意味を持つと言えます。
まず、個人的に家庭用ゲーム機はぜひとも開発にたずさわりたいと思ってきた分野ですし、韓国のゲーム開発者としてはなかなかその機会にめぐり合えなかったこともあり、さらには実力があり信頼できる開発会社と新しい繋がり持って一緒に仕事ができた点など、とても楽しく新鮮な経験ができました。
それに、久しぶりに(3年ぶりですね)絵描きとして働いたことも大きいですね。
あと、もう一つ言いますと、いつもディレクターとして実際に開発に関わっているのは、ネットワークを意識した双方向(インタラクティブ)コンテンツですけど、ゲームデザイナーとしては『ドラグナーズアリア』のような正統派のRPGにも常に興味を持っていました。
基本に忠実でありつつも、深みのあるゲーム性を引き出すためのシナリオやゲームシステムこそが、この『ドラグナーズアリア』の最も期待できるところではないかと思います。
今回のプロジェクトにおいて、あえて心残りな部分があったとすれば、やはり距離的に開発会社と離れての仕事でしたので、グラフィックスタッフたちとすぐ隣に座って意見交換をしながら作業を進めることができなかったことです。やはり3Dゲームというのは、最終的に3Dキャラクターの完成まで責任を持って作り上げるのが、デザイナーとしての勤めだと考えていますので。
他にも、もうちょっと時間があったら、さらにこだわれたかな、と思う部分がないわけではありませんけど、まあ、これはいつものことですね。
でも、持っている力量の全てを注ぐヒットメーカーの開発スタッフに刺激されたこともあり、私としてもPSPでキャラクターが具現化されることを意識していろいろと悩みながら、精一杯頑張りました。
一日も早く正式発売された『ドラグナーズアリア』を店頭で見たいですね!
最後に、日本のゲームユーザーの方々にもこういう形でお会いすることができたことを大変嬉しく思います。
2007年5月末、『ドラグナーズアリア』のポスターを描く途中に・・・