④八ツ裂き公事件~後篇~


 ごきげんよう、窓際探偵よ。
 あなたも気にしている『八ツ裂き公事件』について、私の知る限りのことを共有するわ。

 特徴は、同時に二人が一緒に亡くなることと、
 被害者の所持品に、『八ツ裂き公』のシンボルが残されていること。


 ただ、WEB上で簡単にダウンロードできるから、後者の点が明確な証拠となることは少ないでしょうね。

 気になるのは、なぜ二人一緒にペアで殺されるか。

 殺害されたペアには、中学時代にイジメていた側と、イジメられていた側という因縁深い二人であったり、はたまた同じ市内というだけの薄い繋がりであったり、とにかく共通点が見受けられないわ。

 デッドノートのキラみたいに、犯罪者ばかりを狙っている殺しているワケでもない。
 ジャジャのプッチみたいに、自分の計画の障害を排除しているようにも見えない。
 かと言って、鬼道の刃の無惨みたいに、すべてが自分本位の行動だとも思えない。

 考えれば考えるほど……
 不自然で、不可解で、不愉快な事件……。

 一体どうして、ここまで酷いことができるの……!!

 ……ああ、ごめんなさい
 また筆が乗ってしまっていたわね。

 何だか嫌な予感がするのよ。
 もうすぐ開かれるという『八ツ裂き公対策会議』で、何か起きるんじゃないかとね。

 このモヤモヤはキャンバスにぶつけるわ。

 また、あなたに手がかりを読み取って、
 理想探偵への報告をお願いしたいの。

 あなただけが頼りよ。
 じゃあ、また次の窓辺でね。